ポジティブスパイラル!

大阪交響楽団テューバ奏者、潮見裕章のブログです!

音楽家の近未来を考える


Let's 師範代チャンネル!(25秒のチャンネル紹介用ムービー)

楽家、オーケストラの現状

COVID-19の野郎がだいぶ調子乗って幅利かせてくれちゃってる今日この頃ですが、ぶっちゃけ我々音楽家という生き物(特に人と一緒に奏することを生業としているアナログなジャンルのミュージシャン)たちは、今まさに開店休業中という言葉が一番ぴたりと来る職業となってしまった。

師範代の所属する大阪交響楽団も2月末から以来公演がキャンセルになり始め、3月前半にあった主催公演をなんとか開催に漕ぎ着けてから、ほぼ全ての公演がキャンセルになり、現時点でも先々予定していたオーケストラの公演のキャンセルの連絡が毎日の様に入って来ている。こればっかりは仕方ない。

もちろん演奏する我々はその機会を奪われる辛さを今はじっと耐えるしかないのだが、オーケストラを運営するために血眼になり駆けずり回って仕事を取って来て、ホールをおさえ、指揮者の予定を確保して依頼元と山の様に打ち合わせをし、フライヤー作りから楽譜の手配やチケット販売に至るまで、我々演奏者がリハーサルで音を出すまでに数え切れない程の工程を組み上げてくれている事務局スタッフの面々の気持ちを考えると本当にやり切れない。

一生懸命時間をかけて作って来てようやく完成が見えて来たジグソーパズルを土足で家の中に入って来た姿の見えない奴にバッラバラにされ、それでもまたピースを拾い集めて少しずつ合わせて行ってる最中にその上で納豆カレーライスをひっくり返される様なものだ。それでも彼らはそのカレーと納豆にまみれた中からまたピースを一つずつ拾い集め、我々オーケストラのメンバーに演奏の場を作ろうとしてくれてるのだ。文章を打ってて我ながら上手いこと言うなぁとほくそ笑んでるのに涙が出そうだ。チキショー(笑)

そういった状況に対してなんにも出来ない無力さを我々は今痛感しつつも指をくわえて毎日連絡が入るたびに予定表にえんぴつで線を引いて消す作業を繰り返す。それが日々の日課となった。

楽家の在宅勤務とは

しかし、師範代はあまりネガティブに捉えてはいない。実際に納豆カレーひっくり返されたら黙ってないかもしれないが、そういう意味じゃない。この地獄の様な状況でも実は災い転じて福と為す的な要素を見つけられるのではないかと考えている。

実際にこうやってブログを開設して、何人の人が見てくれているかわからないが、誰かに何かを伝えようという普段であればステージの上から客席に向けてオーケストラの仲間たちと一緒にやってる行為を、自宅で一人で誰かに何かを伝えようとし始めている。

もしここで今まで師範代のことも大阪交響楽団のことも知らなかった人がこのブログを読んで興味を持ってくれたとして、オケのメンバー全員がそういった発信をし始めたとしたらどうだろう。事態が収束して公演を打てるようになった時、その人たちがコンサートホールに来場してくれると考えると、少なくともボロボロにされっぱなしの姿ではなく、多少は明るい未来が見えるのではないかと師範代は考える。まさに災い転じて福と為す

そう、ピンチはチャンスなのである!

仕事が無くなった…と家で愚痴ってヤケ酒あおってても何もプラスな方向には進まない。転んでもタダでは起きない!の精神で、ブログを書いたりYouTubeで配信してみたり、こうして音楽家の在宅勤務という新しいジャンルを日々模索している。

楽家の近未来の仕事

悲観的に捉えるのではなく、一握の期待を含んだ師範代なりの観測だが、おそらく今まで通りには戻れない。当たり前の様に行ってた演奏会も、たくさんの人と一体になる感覚がたまらなかったイベントやライブも、今後事態が収束してからも何かしら気を配り、何かしら注意喚起をし…ワクチンや治療薬が世に出回り抗体が人々の体に宿る日が来るまで、いやその日が来たとしても、おそらく今まで通りには戻れないだろう。

だとしたら、我々音楽家も今までの自分たちのままでいられる環境を望んでばかりいるのではなく、新しい自分たちのあるべき姿を模索し始めるべきなのではないだろうか。

世代交代して自分たちが死に、次のその次の世代が活躍するような100年先の時代のことを言ってるのではない。いま我々が生きてる間に、それもすぐ先の未来にたどり着くべき近未来の音楽家の仕事を、今この納豆カレーをひっくり返されてる間に考えるべきなのだ!

足元ばかりを見ていないで顔を上げて、落ち着いて世の中を見渡してみれば、我々クラッシック音楽家というジャンルの生き物が手にした事がない様な要素がたくさんある。いや、手にした事がない要素ばかりかもしれない。師範代が今考えて実行しようとしてることだって、もう既に誰もが先にやってることである。だけど「そんなことしたところでどうなるよ?」と腕組みしてても埒は明かない。やってダメならまた考えりゃ良いのだ。

また別の機会に投稿しようと思うが、師範代がYouTubeで配信し始めたのもCOVID-19がきっかけだった。いまこんな動きをし始めたを怪訝な表情で見ている人もひょっとしたらいるかもしれない。だけど、師範代は今まで師範代の事を知ってたけど繋がれなかった人たちや、全く知らなかった人たちと見えないところでどんどん繋がって新しい世界を築いて行きたいと考えている。何のため?近未来の音楽家の仕事を模索するためである。

日々見えない敵と闘っている今、目に見えない人たちとたくさん手を繋げる時代はもうとっくに来てるのだ!

と、ここで誰にも読まれないことを良いことに、自分自信を奮い立たせるために投稿している師範代がいる。

 

ではまた!

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