おみしー師範代のしばらく練習でもしてみよか〜!その1 〜ウォーミングアップを考える〜
ウォーミングアップの線引き
楽器を演奏する者からするといつもよく耳にするこの言葉、ウォーミングアップ。
みなさんはウォーミングアップっていつもやっていますか?
内容は人によってそれぞれだと思うし、そもそも「ウォーミングアップはしない」もしくは「した事が無い」という人も中にはいらっしゃるかもしれません。
しかし、もしもそのウォーミングアップを毎日練習の時に楽器を出して必ず実施しているとしたら、いつもその間に何を大切にしてどんな事をどれくらいしていますか?
別に「ウォーミングアップはこれだけ時間をかけてこんな事をやりなさい!」と言ってる訳ではなく、「そもそもウォーミングアップって何をする時間だと思ってやってますか?」という事を皆さんにお尋ねしたいのです。
師範代はいつもそう思っているんですが、ウォーミングアップというものの定義を 自分の中で持っているか持っていないかでその人が大きく成長する練習が出来ているかどうかが決まると言っても過言ではありません。
「ウォーミングアップの線引き」を考えることによって、どこまでをウォーミングアップと考えて、どこからを基礎練習とするかの境界線が生まれます。
それを考えると「音出し」と考えるエリアと「練習」と考えるエリアの境界線が見えて来ますよね。
そのウォーミングアップの中で「何を大切にしてどんな事をどれくらいしているか」という事。
これが「なんとなく」になっていたとしたら、少しずつで良いのでこのことについて考えてみましょう!
「考える」という行為は楽器を吹いていない間にでも出来るので練習時間を犠牲にする必要はありません。
それを考えて日々ウォーミングアップをするだけで随分効率的にその時間を使える様になり、その後の練習も同じ様に考え始めると効率良く進める事が出来ると思います。
遠足のおやつは200円まで。先生、バナナはおやつに入りますか?
という議論が子供の頃よくありました(昭和生まれあるある。笑)
さぁ、本題です。
みなさんのウォーミングアップを思い出してみて下さい。
ロングトーンはウォーミングアップに入りますか?
もしくはウォーミングアップを終えて基礎練習としてロングトーンをやっていますか?
はい、みなさんシンキングターイム!
ズンズンチャッチャッ、ズンズンチャッチャッ…ちーん!
さぁ、いかがでしょう?
もしここで「え〜、どっちやろ?」って迷ってらっしゃる人がいたら、是非コレしっかり考えてみて下さい。
せっかく考えて頂きましたが、正解はありません。
人それぞれで構いません!
こうじゃないといけない!っていうものではないと思います。
ただ、こういう事を普段から考えながら練習しているかどうかは大切だと師範代は思っています。
ちなみに師範代はウォーミングアップの中にロングトーンは入りません。
自分の中でウォーミングアップと思っている内容を済ませた後、基礎練習の入り口としてロングトーンを取り入れています。
そういった練習に対する考え方をしっかり持つだけで今練習している内容がしっかり目的意識を持って実施出来る様になって来ると思いますので、是非これを機にご自身の練習哲学を日々考えてみて下さい。
シンプルなロングトーンでも考えながら実施する事でその効力を最大限に引き出し、リップスラーやタンギング等のテクニック、高音や低音に音域を拡大する時の奏法的な発想なども、考えながら練習をすることで、みなさんのいつもの練習が飛躍的に変わります!
恩人、ロバート・トゥッチ先生の教え
師範代はドイツに留学していた時にこんな経験をしました。
ペラントゥッチのマウスピースで有名なロバート・トゥッチ先生のレッスンを受けていた師範代。
それはある日のレッスン終了後にトゥッチ先生と次のレッスン日程について話してた時のことでした。
先生「じゃあ次は来週月曜日の朝10時にうちにおいで」
師範代「わかりました。月曜の10時ですね!…あ、先生すみません。もう少し後の時間にしてもらっても良いでしょうか?」
先生「ん?なんで?何か予定があるのか?」
師範代「いえ、予定は無いんですが、先生のところに来る前にエルマーシュミットのスタジオでウォーミングアップをしてから来たいんですけど…。」
〜 当時、師範代の住んでた街からトゥッチ先生のスタジオまでは電車で約1時間、いつもレッスンの前にエルマーシュミットというおっちゃんの経営するスタジオを借りて練習してからレッスンに向かっていたんですが、そのスタジオが9時からしか開かない。そこで音出しをしてからレッスンに行こうとすると10時は時間的に無理でした。その事を説明するとトゥッチ先生は… 〜
先生「ヒロ、良いか。もし君がプロフェッショナルを目指すのならウォーミングアップをコントロール出来なきゃだめだ!電車が遅れて本番直前にホールに着いて、ウォーミングアップが出来てないからちょっと待って下さい!って聴衆に待ってもらう事は出来ないだろ?」
師範代「はい…(まぁそらそうやけど…汗)」
先生「だとしたら君はウォーミングアップというものが無くて大丈夫な様にいつでも頭の中でどんな状態でも吹けるイメージを持つべきだ。」
師範代「はい…(理屈はわかるけど、それって…汗)」
先生「良いか。朝起きて君の脳が目覚めた瞬間に君の脳のウォーミングアップは既に完了している!その状態であれば君はいつだって演奏出来るんだ!」
師範代「(こらあかん。先生別次元のこと言うてはるわ。…けど待てよ、それって理想ではあるよなぁ。今は無理って思ってしまってる自分がいるけど、そういう発想でやっていって少しでも近づけるんならやってみる価値はあるかも!とりあえずハイ言うとこ。)ハイ!わ、わかりました!」
みたいな経験をしまして、師範代はトゥッチ先生からウォーミングアップというものを考えるという機会を与えて頂きました。
もしここで師範代が「え?そんなん無理です!」ってなってたら、今頃こんな発想は持ってなかったと思うし、今の師範代にはなっていなかったと思います。
みなさんも是非ウォーミングアップというものをこの機会にじっくり考えてみてみてはいかがでしょう?
「ロングトーンはウォーミングアップに入るかどうか?」の議論が自分の中で整理がついていない方は師範代とロングトーンしながらその事を考えてみることをおすすめします。
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