おみしー師範代のしばらく練習でもしてみよか〜!その2 〜バズィングを考える〜
youtu.beおみしー師範代のしばらく練習でもしてみよか〜!vol.13
「楽器が無くても自宅で出来る練習を全力で考える!!」
練習がしたい…でも楽器がない
新型コロナウィルスの影響で長期間の休校が続き、春を迎えても新学期を始めることも出来ない今の状況で全国の学生の皆さんは本当に辛い日々を過ごしていることでしょう。
もちろん、それ以上に学校関係に勤務される方々はもっと毎日大変な思いで過ごされている事とお察しします。
師範代自身が音楽家であり、吹奏楽の指導者としての一面を持つ、という事もあり、部活動としての吹奏楽部の「これから」をとても気にしているのですが、「これから」を考える前に先ず「今」を見る必要がある。
SNS等で多くの投稿が目に止まり、実際に生徒たちとのやり取りの中でも多くの生の言葉が突き刺さるのだが、特にテューバという楽器の性質上、自分の楽器を持っている学生の方が稀であり、自分のマウスピースを持っているという学生の数もそこまで多くはない。
殆どの学生が「練習がしたいけど楽器がない」「楽器もマウスピースも手元に無い」と言う状況で、何も出来ずにじっと堪えているのだ。
本当に何も出来ないのだろうか?
ふと頭の中で生まれた残像がやけに残った…
「本当に何も出来ないのだろうか?」
ひょっとしたら「何も出来ない」のではなく「どうしたら良いのかわからない」のではないだろうか!
冷静に自分に置き換えて考えてみた。
普段でもオケの仕事が降り番で、吹奏楽指導の仕事が忙しい時期など、気が付いたら数日間テューバを吹けていない時もある。
そんな時はどうしてる?
自分の中では生活の一部で気がつかないくらい当たり前の状況になってしまっているが、無意識でバズィングの練習をしている。
ご存知ない方のために簡単に説明すると、金管楽器は演奏する際にマウスピースに唇を当て、空気を流すと同時に唇を振動させて音を鳴らす。
そのことをバズィングと言うのですが、自分を振り返ってみれば、ずっとバズィングをしている事に気がついた。
移動中の車の中でも常に赤信号で止まるとマウスピースを吹いていて、車を走らせてる時は軽くフリーバス(マウスピース無しで唇だけで振動させる事)をしている。
全国の楽器が無い子たちにテューバを買い与え、マウスピースを配布する、といったアラブの石油王クラスの振る舞いは恐らく3万回生まれ変わったとしても出来ないだろうが、「どうしたら良いのかわからない」と悩んでいる子たちに師範代がいつもやっている事を伝えてあげるくらいの事なら3万回生まれ変わって石油王にならなくとも今の師範代にも十分出来るではないか!
しかもアラブの石油王だとアラビア語だから日本の学生たちには伝わりにくいけど、師範代ならまだ多少は日本語で伝えられるはずだ!
そう気付いた時には自宅の防音室でツイキャス配信の準備をしていました。
前触れなしでいきなり始めたその日のツイキャスも合計2時間程の配信で延べ100人近くの人が視聴してくれていた。
いつもはテューバを吹いてロングトーン等の基礎練習を中心に配信しているが、この日は一切テューバを吹かずに配信し、マウスピースを用いたバズィングの練習と、何も無くても出来るフリーバスの練習のみに重きを置いた。
思いの丈を余すことなく全てぶちまけて配信を終了し、編集しながら考えていた。
頭の中で生まれた残像はなんだったのか…
「本当に何も出来ないんでしょうか?」
「今の状況で自分に何が出来るのかをまだわかってないだけなんじゃないでしょうか?」
そう綴られた手紙、それが残像として残っていたのかもしれない。
師範代が入試を受けた頃はまだ入学条件が厳しかった某大阪の音楽大学の入試。
思った様な点数が取れなかった師範代は、始めは短大生として入学し、短大卒業と同時に3年次編入試験を受け、無事に同級生たちと4年間で卒業したという学歴を持つ。
頑張って編入試験に受かった直後、大学でオーケストラ専攻生を別の校舎に移動させる計画が決まり、もしそこに移動となると今まで校舎内の廊下や中庭でいつでも自由に練習出来ていたものが、いちいち部屋を借りないと練習出来なくなり、しかも一日一人一時間半という制限が設けられた。
そこで師範代はその悔しさと怒りを書き殴った手紙を実家の母上に送りつけた。
大まかな内容はこうだったと記憶している。
「音楽を勉強するために一生懸命編入試験をパスしたのに1日1時間半しか練習出来ないなんて有り得ません!年間多額の授業料を払って頂いてるのにこんな状況で毎日ちょっとしか練習が出来ないなんてここで勉強し続ける意味がありません!お願いです。どうかこんなチ◯カス大学、今すぐ退学して海外へ留学させて下さい!」
荒ぶる気持ちを抑えつつ一応丁寧な言葉を選んで書いたつもりだが…
人生最初でおそらく最後になるであろう母への手紙である。
そして数日後、母からの手紙が届いた…
「息子よ、あなたの気持ちは良くわかりました。あなたがそう思うならそうしなさい。
だけど、あなたは本当にそれで良いと思っていますか?今の状況ではそれ以上本当に何もできないんでしょうか?
楽器が吹けない時間に出来る練習や勉強が他にもあるんじゃないでしょうか?
あなたは本当は今の状況で自分に何が出来るのかをまだわかってないだけなんじゃないでしょうか?
もしそうだとしたら母は情けなく思います。
海外に留学して今より良い環境になればあなたはプロになれるのでしょうか?
あなたが言うところのチン◯ス大学から学ぶ事は本当にもう無いのでしょうか?
そんな貧弱な発想の人がプロの音楽家になれる訳がありません。
学生の間は考える時間がたくさんあります。
じっくり考えて答えを出しなさい。 母より」
面白おかしく色付けした話でもなんでもなく、本当にこんな内容の手紙でした。
でもこの事件があって冷静になって踏みとどまった選択は正解だったと振り返ります。
この手紙は今の師範代の礎になっており、口にこそ出しませんが母上に感謝しています。
手紙やなくても電話で良かったんちゃうん?
いや、手紙だったから残像に残ったんでしょう。
ちなみに師範代の両親は音楽の「お」の字も知りません。
ホント親は偉大です。
ちなみにその頃の師範代の写真がコチラ…
と言う訳で純粋にこれからも誰かの役に立てる様な事を考えて実行して行こうと思っています。
今日書いた内容の冒頭にあるツイキャスで配信した内容を編集してYouTubeの師範代チャンネルにて絶賛配信中です!
是非、下のリンクからご視聴下さい!
youtu.beチャンネル登録もよろしくお願いします。
と言う訳で引き続き、不要な外出は控えて、ステイアットホームでお願いします!
皆様とコンサートホールで再会出来る日を夢見て!
ではまた!